碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

2016-10-11から1日間の記事一覧

出ないための鍵 1

住宅街を歩いていたら、いつの間にか女の子が前を歩いていた。 何も荷物を持っていない。 手ぶらには似つかわしくない、ユリの花をふたつ伏せて重ねたような白いドレスを着ている。 足元はかかとの低いサンダルだ。 女の子はふいに鍵を落とした。 形はふつう…