碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

2016-11-15から1日間の記事一覧

北風の吹く頃に 4

すべり台に登るには、はしごとアスレチックのようなロープを編んだ目の大きな網とがある。 安子は網を登り始めた。 「え、何よ。俺が下りるって」 安子が登るのよりずっと早く恭輔はするすると猿みたいに下りてくる。 同じ高さになったがここで言っていいも…

北風の吹く頃に 3

したいことは由花をいじめることではなかった。 それだけがはっきりした。 一度クラスの数人と授業を抜け出して行った公園に足が向かった。 あのときは恭輔も居た。 公園は丘の上にある。駆け上がるのは難儀だ。 心臓がめいっぱい膨らんだまま拍動して苦しく…