碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

果たし状10

後は愛会梨の名前を世に出すだけだ。次の世代につなげるというのはそういうことだ。そうすれば夜唯子に会える。話ができるのだ。

デザイン画は地方の宝飾会社へ持ち込んだり、大手企業が主催する受賞作品は実際に製作されて販売されるコンテストに応募したりしたが、成果はぱっとしなかった。しかし、宝飾品を見ているうちに目が肥えて原石の良し悪しが区別できるようになった。

愛会梨の就職先は貴石や半貴石の原石を取り扱う会社である。アフリカやオーストラリアに行くこともあるだろう。一会社員なので名前が世に出るというのは難しいかもしれないが、手がけた原石が磨かれ販路に乗ったら夜唯子に連絡するつもりだ。終