碧井 ゆき の物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。twitter.com/snowycrow2blue https://note.mu/snowycrow2blue

彩夏夜160509-01

山場との暮らしは楽しい。

言うことのひとつひとつが何かをひと巡りしている気がする。

長く一緒に暮らしていて、気がする、という曖昧な表現になるのもおかしいのだが、会話しているときはわからないことも多いのだ。

後で思い返してひと巡りさせた何かを感じられたとき、櫂子はとろんとしてしまう。

知識欲が旺盛で語彙の豊富な山場は、櫂子には生きている辞書のような存在だ。

本を書き上げたいと思っている櫂子にはのびしろを大きくしてくれるうってつけの相手ではあるが、山場の頭の良さに疲れることがある。

体調の悪いときには何を言っているのかわからない。簡単な言葉ですませたいのだが、物足りなさそうな物言いをされる。 けれど山場は櫂子に飽きるということがない。これまで続いているのは、山場の櫂子への性欲によるところが大きい。

求められれば開くものだ。否定はされていないので、全面的に受け入れてくれる安心感はある。

やはり、変わらない生活に疲れていたのだと思う。