碧井 ゆき の物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。twitter.com/snowycrow2blue https://note.mu/snowycrow2blue

彩夏夜160512

5歳下の武端を知ったのはSNSでだ。

風景写真家である武端の写真展の開催に伴って武端の出るトークイベントが行われ、聴きに行った際に、櫂子は武端の写真集を注文した。

武端と同行していた、写真集を出版した出版社の編集長に注文したのだが、写真集は武端の自宅住所から届いた。

本人からの短い直筆の礼の手紙が添えられていた。

櫂子は武端の写真スタジオのアカウントをフォローしていて、載せられていた黄色い砂の上にそびえるピラミッドの陰から朝日が輝く写真に、「朝日の力強さにパワーをもらえそうです」とコメントを入れたことがあった。

逆光で影になっているピラミッドと白くまぶしい日の光が胸に迫ったのだ。

トークイベントでは言葉を交わせなかったが、手紙には「ピラミッドの向こうから朝日が差す写真は僕もとても気に入っている一枚のひとつです」とあった。