碧井 ゆき の物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。twitter.com/snowycrow2blue https://note.mu/snowycrow2blue

彩夏夜160519

穏やかで冷静な山場だが、櫂子をきつい目で見たり、一日中目を合わせなかったりした一時期もあった。

それを過ぎると、いつもどおりの大きく構えた頼りがいのある山場に戻った。

山場の手は厚くてあたたかい。

朝のテレビニュースに出ていた青山霊園の映像を、ネクタイの結び目を整えながら見ている山場のスーツの背中と横顔を見て、櫂子はとても安心したのだった。

分業になってしまう。

それでいいではないか。

ただ、櫂子には〝お願い〟だけではできないのだった。

武端の気持ちがわかってきた以上、なおのことだ。

そして、気持ちのない人のことは受け入れることができない。