碧井 ゆき の物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。twitter.com/snowycrow2blue https://note.mu/snowycrow2blue

彩夏夜160524-02

お金が目的ならば、身近な手っとり早くつかまえられる男を手に入れればいいのだ。

どうしてよりにもよって何年も待たなければいけないひとを好きになってしまったのだろう。

夜の線路を走る電車の窓に映る顔は、久しぶりに見る幸せのあとだった。

ほんの5秒の自分にだけ向けられたささやきに櫂子はぼうっとなってしまったのだった。

直接の会話をしないと自信が持てないなんて、空想ではないだろうか。

今日のことを後悔はしていない。

武端の態度も周りの言葉も私と私たちを認めてくれているのに、何を畏れることがあるのだろう。

知っていることをなぞるのは、確認のための最小限でじゅうぶんだ。

確かめられたのなら、少し先でも不安はない。