碧井 ゆき の物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。twitter.com/snowycrow2blue https://note.mu/snowycrow2blue

彩夏夜160526

「次は」

「征満だよ」

紙谷橋はさっきまでとは変わり果てたものを隠すこともせずに、顔も体もこちらに向ける。落ちていたトランクスを拾って穿く。

以前は千奈美が人と順を決めていたが、すべてを任されると達成しなくてはいけないというプレッシャーがかかり、義務になってしまっていた。

思ったとおりにならない。

刻生に言うと、義務ではつまらないよね、とその次の回からはより柔軟になった。

時間をつくって来てくれたのに申し訳ないと思うけれど直前でキャンセルすることもある。

征満が次なら、大丈夫そうだ。

断った後の態度は次を受け入れられるか受け入れられないかを決める。

今日は刻生の出番までずっと征満でもよかったくらいだ。

紙谷橋は楽なのだけれど、前に食べることが義務のようになり楽しめなかった。

気持ちが乗らないときは食べられない。

文句はないが足りないものがあった。

征満の名前を出した時に何か感じたようで、今日はいつもよりさらに丁寧だった。

指よりも手のひらでわかる。