碧井 ゆき の物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。twitter.com/snowycrow2blue https://note.mu/snowycrow2blue

彩夏夜160527-02

転職した先ではランチはいつも外でとった。

同僚と一緒に出ることもあったけれど昼食の時間は自由に動かせたので、仕事の様子を見て一人で出ることも多かった。

会社の玄関が面しているオフィス街の道路は片側一車線で、路駐の車があればなんとか通り越せるほどの幅だ。

社の向かいには、明るい灰色と灰色がかった藍色の長方形が互いちがいに組み合さったような外壁のビルがあった。

櫂子が12時10分ぐらいに出ると、その向かいのビルの玄関外にある喫煙コーナーで決まってタバコを吸っている男性がいた。

同じ電車に乗り合わせる人は覚えないのに、その男性は姿勢がよく佇まいに雰囲気があり、一度見たときから気になっていた。

12時10分ごろにいるとわかったのでその時刻に出るのを躊躇したが、また会えば何かわかるだろうと思い、再び12時10分きっかりに社の玄関を出た。

男性はこちらを見てタバコを吸っていた。

目が合ったのは確実だった。

向かいのビルの2軒隣はそば屋だ。

左右を見て車が来ないことを確かめて、道路の横断歩道のないところへ足を出す。