碧井 ゆき の物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。twitter.com/snowycrow2blue https://note.mu/snowycrow2blue

彩夏夜160530

「子どもが欲しいんです。武端さんとの子どもを夫と育てたいんです」

武端の目が明らかに混乱している。

今まで言葉にできなかったのはこれだったのかと合点がいく。

けれど、私の中でも渦が強く巻いていて何かが出てくるのが恐い。

「僕がすぐ離婚できないからですか」

「いいえ、違います」

自分でも驚くほどきっぱりとした声だった。

「武端さんが離婚できていれば武端さんとの子どもを育てるのでしょうね。でも、できなくて良かったと思います。私は山場と育てたいんです」

たぶん、ものすごく傷つけている。

それなのに、沈んでいる泥の中で考えていたようなことが形になり、頭が楽になった。