碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

ロンサムカフェ -12-

ベリーアイスティーを飲む。

帆波もアイスティーを飲む。

口の中がさっぱりする。

帆波の歯形がついたクレープサンドから、オレンジ色がかったさいの目に切られたサーモンが見える。

れいみのクレープサンドは生ハムにも歯形がついている。

さっきの、謙人の裸が思い浮かんだ恐怖に近い感覚を思い出したが、気のせいと思い直し、ふた口めを口に運ぶ。

舌に生ハムが当たる。

しっとりと冷たく、しょっぱい。

思わずクレープサンドを口から離し、歯形のついた断面を見る。

首筋が粟立つ。