碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

ロンサムカフェ -24-

帆波の目の前のアイスクリームが溶けていく。

「あれの日にしたくないなんて、いいのかな、って」

帆波はつばを呑み込んで、続ける。

「最近は、ぜんぜんよくないの。駄目ではないけど、ちっとも気持ちよくない」

なぜ、と訊き返す気にもなれない。

れいみには、わかるのだ。

お互いのいいところも悪いところもわかっているのに、ふたを開けないでいることの虚しさが。

変化がないと、続けられない。

なぜ魅かれたかという根源を振り返らずに隣り合って歩いているのは、一緒に歩いていることになるのだろうか。

帆波が気づきたくなかったことを気づかせてしまったのかもしれない。