碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

これから g

ときどき、不安になる。

清星と始まったときは、代わりに過ぎないのだからと、考えが浅かった。

今にして思えばなのだけれど。

知世子さんの体が良くなれば、終わってしまうのだろうか。

治療の甲斐がなく亡くなってしまったら、清星は瑠璃とずっと今までのような関係を保つのだろうか。

その時はその時で、ふっと留めていたものが切れて、瑠璃から離れていくのだろうか。

 

それは嫌だった。

清星には、会いたいときに会える存在でいて欲しかった。

清星には瑠璃は代わりでも、瑠璃には清星は代わりではないのだ。

ずっとこのままでいてほしいと思った。

 

知世子さんにもこのままでいてほしい。

治るでも、亡くなるでもなく、変わらずにいてほしい。

清星と知世子さんの関係が、知世子さんの病状に関係がないかもしれないのに、そんなことを考えてしまう。

 

今のままで平均余命を果たせるなど考えにくいのに。

どちらかというと、亡くなる可能性のほうが高いのだ。

清星がすっぽりと手に入る瞬間を思い喜びに打ち震え、また、清星が変質して瑠璃のもとを去っていく恐怖に怯える。