碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

2016-11-04から1日間の記事一覧

出ないための鍵 16

気がつくと、僕は彼女の家のソファに横になっていた。 「わあ、ごめんなさい」 僕はひたいに手を当てて体を起こそうとした。 ひたいには熱を取るシートが貼られていて、わきの下とももの間にはタオルを巻いた保冷剤がはさめてあった。 ものすごくだるい。 体…

出ないための鍵 15

次に彼女を見かけたのは、強い日射しが降り注ぐ暑い日だった。 彼女は、前と同じ白いドレスを着て、大きな麦わら帽子をかぶっていた。 ぼくは、炎天下の中を歩いて来ていてふらふらだった。 公園の中に入り、ペットボトルの水をごくごくと飲んでいると、真横…