碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

果たし状9

夜唯子と離れた当時は、愛会梨はジュエリーデザイナーになるつもりだった。最初から宝飾製品を扱う会社に就職できるかはわからなかったが、デザイン画を描きためていた。どんな形ででもジュエリーデザイナーの肩書きを名乗れるようになるつもりだった。だから果たし状に納得して連署したのだ。

果たし状には次の事が書いてある。

 

愛会梨

夜唯子

 

半年以内に離れた所に引っ越すこと。

 

二人で一緒に買った物は放置せずどちらかが持って行くかどちらが処分するかはっきりさせること。

 

後に引っ越したほうが引っ越しを終えてから一年は連絡を絶つこと。

 

一年経ったら、連絡先が変わったら知らせること(年賀メールでも可)。

 

次の世代につながることができたら必ず知らせること。←このために離れるんだからね!

 

年金は半々にすること。

 

 

←の文は鉛筆の手書きだ。

最後の文は夜唯子らしい冗談である。一緒に経験したことをもとにして世の中に発表してもお互い文句を言わないという意味だ。

何も知らない親が見たら愛会梨が知らないうちに結婚していたとも誤解されかねない文面だ。