碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

果たし状5

手の両脇の風船がぶにゅっと膨み、膨らんで色が薄くなったのがもうたまらない。「ぎゅわっは」 愛会梨は手を離してしゃがみこむ。床に尻を落とし手をついて横向きに倒れ込む。げらげらと笑いが止まらない。

夜唯子は真ん中がだらんとした風船を見つめて呆然としている。 「うわっは」 愛会梨は頭をのけぞり胸に手を当てて気が狂ったように笑う。目からだらだら涙が流れ鼻水まで流れ出てくる。 「何、その顔」 夜唯子は気の抜けた声を出し風船から右手を離す。左手から長い風船がだらんと垂れ下がる。

「うわはっ」 夜唯子が左手に風船を持ったまま笑い始める。 「ちょっと待って」 垂れ下がった風船を掲げるように手を挙げ、床に片膝をつく。 「ぐわっはっはっは」 二人で部屋中が震えるようなばか笑いをする。夜唯子は風船を持ったまま床に両手をつきもう片方の膝も床につく。