碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

ロンサムカフェ -7-

帆波はマンゴーアイスティーを太いストローで勢いよくちゅーっと吸い上げる。

「れいみが来る前にも、飲んだんだけどね」

無邪気に見える笑顔だ。

「暑いものね。梅雨時期なのに」

言っておいて、れいみはグラスの半分も飲めない。

まとまった水分は朝起きてミネラルウォーターをコップに1杯飲んだきりなのに、入らない。

二人ともしゃべらず動きもしない間ができる。

 

いつもと変わらない帆波を見て、ようやく罪悪感が湧いてくる。

開き直る気が出てこない。

けれど今は言うタイミングではない。

「先週、お芝居を観てきたの。何十人も出演するから、あらすじを予習していったよ」