碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

ロンサムカフェ -13-

クレープサンドを皿に戻し、ベリーアイスティーの入ったグラスの底にストローの先を突き刺し、底にたまっているベリーミックスジュースを飲む。

ふた口めを食べている帆波が口をもごもごさせながら怪訝な表情をしている。

口の中がいっぱいでものが言えないのだろう。

ひと口めほど噛まないで呑みこみ、

「どうかした?」

と訊いてくる。

「なんか今日、生ハムがだめみたい」

帆波はくりっとした丸い目の長いまつ毛を上げる。

「そう。残念だったね。ほかのを頼む?デザートもあったよね」