碧井 ゆきの物語

こんにちは。碧井ゆきと申します。ここにはわたしが書いた小説をのせています。

ロンサムカフェ -23-

コップをテーブルに置く。

「ごめんね。驚いちゃって」

「謙人さんとはつき合ってないよ。赤ちゃんがほしくて協力してもらっただけ」

帆波は胸を押さえる。

頭の中で質問したいことや非難の言葉がごった返しているのだろう。

怒りの感情を出さないようにしているのがわかる。

責められても仕方がないようなことなので、覚悟はしているのだけれど。

「私ね、謙人とは避妊しててもできたことがあって、それが怖くて、可能性が低い日でも避妊しないとできないのよ。あれの日はもうできない」

あれの日、というのは排卵日のあたりのことだろう。

れいみのほうが驚く番だった。

「もうつき合って3年になるから、このままでいいのかなとは思うんだけどね」