ロンサムカフェ -22-
「赤ちゃんができたの」
業務連絡のように謙人に知らせた次に、話したのは帆波だった。
普通のトーンで話したので、帆波は黙ったあと、
「それは、おめでとう、と言っていいの?」
と言った。
うなずくか迷ったけれど、頭を動かさなかった。
「謙人さんの子どもなの」
初めのうちに話さないと、ずっと話せないままになりそうだった。
帆波は驚きを隠すために奥歯を噛みしめ。両目が横に長くなった。
やはり、知らなかったのか。
謙人が落ち着いていて、連絡を取ると来てくれる確率は悪くはなかったから、暗黙の了解ができているのかもしれないと思っていた。
帆波はアイスティーのほうではなく、コップを持ち上げ水をひと口飲んだ。
「ええと、これからどうするの」